石塚左玄の食養法(藤城式食事療法の源流)
藤城博の「日本食養の会」や、久司道夫の提唱した「マクロビオティック食プログラム」の源流となった明治時代の食育の先駆け「石塚左玄の食養法」についてみてみましょう。
大きな柱となる考え方は以下の6つです。
1.食本主義
命は食にあり。医食同源、薬として食を重要視する。
2.穀食主義
肉食動物でも草食動物でもない人間にとって最も適した食物は穀物である。
(人間の歯の形、構造を見れば明らか)
*食事の50%を主食(精白米ではなく分つき米)で摂ることが基本
3.身土不二論
順化適応したその土地に先祖代々伝わる食(おふくろの味)を守る。
人間もまた自然の中で生かされています。住んでいる土地でとれた旬のものを食べることで自然環境に調和して生きることができます。
*身土不二という言葉は、左玄の弟子の西端学氏の言葉。
4.一物全体食論
食物は葉も根も皮もすべてでひとつのものである。
残さずにまるごと命全体をいただくことで、栄養のバランスがとれる。
*コメなら玄米をいただくということです。
5.陰陽調和論
陰陽の食のバランスを摂ることで、自然環境に適応し、病気を未然に防ぎます。
*左玄は陰と陽のバランスとしてミネラルのナトリウムとカリウムに注目していました。
6.三白追放
白砂糖、白米、白パン(小麦粉)など精製された食物をとらない。
精製された純度の高い食べ物に身体が適合できないので副作用の原因になる。
今までの自分の食生活をあらためて見直してみると、
中々含蓄のある言葉が並んでいると思いませんか?
対症療法の西洋医学やカロリーベースの栄養学とはかなり考えが異なっていますが、そもそも欧米人が自分たちのために打ち立てた医学・栄養学を身体構造も食の伝統も異なる日本人に当てはめて考えるのはいかがなものか?と自分なりに思っていたので、石塚左玄の考えはようやく自分の腑に落ちる理論に巡り合えたという思いでした。
このサイトでは、糖尿病の血糖値を下げる目的として、この左玄の食養論の流れを汲む「藤城博の食事療法」をすすめています。
しかし、この医食同源に基づく和の食養論は、一つ一つの病気にではなく病気全般を改善し健康を保つ理論であるともいえるので、糖尿病に限らず高血圧症の方にも、がんを予防したいと考えている方にも有効な考え方であると思います。
現に、2.穀食主義で示したような食事療法(玄米など未精白穀類50〜60%、野菜25〜30%、残りを豆類・海藻類・スープ)が血圧とコレステロール値を改善させること、エイズ患者の免疫力の改善に効果があることなどが学会で発表されているのです。
ですので、この理論に本当に共鳴できて、長く続けられる自信のある方にはこの藤城博の食事療法をおすすめいたします。
糖尿病の食事療法の公式サイトはコチラ
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食養学に基づく根源にある考え方は同じなので、両方の症状のある方には高血圧の食事療法をおすすめいたします。